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プレスマンユニオン編集部
久保田早紀の『異邦人』の舞台、実は東京都国立市だった!?
昭和54年10月1日に発売された久保田早紀(くぼたさき=現在は久米小百合で活動)のデビュー・シングルが、『異邦人』。正式タイトルは、『異邦人 -シルクロードのテーマ-』で、シルクロードの旅人をイメージする素敵な楽曲です。実は、この曲、東京都国立市で生まれています。
国立市の空き地で子供たちの鬼ごっこから『白い朝』が誕生!
当初のタイトルは『白い朝』。
13歳まで暮らした国立市(当時は国立町)のJR国立駅前の大学通り、さらに当時暮らしていた八王子の景観をイメージし、曲の冒頭の「子供たちが空に向かい両手を広げ」は、国立市出身の久保田早紀が通学時に使っていた中央本線(当時は国鉄)の車窓から見た、国立駅近くの空き地で遊ぶ子供たちの姿だったのです。
名曲の出だしはが誕生したシーンは、「国立近くに差しかかると、当時は空き地がたくさんありました。電車から子供が鬼ごっこをしている風景が目にとまって」(NETTV『どんどん夢が叶う・メディカツ』「異邦人」の久保田早紀さんこと久米小百合さんが語るデビュー時秘話)とまさに中央本線の車中です。
久保田早紀は、昭和33年5月11日、東京都北多摩郡国立町(現・国立市)の生まれ。
13歳のときに八王子市に引っ越していて(共立女子第二中学に通学、洗礼を受けたのは八王子「めじろ台教会」)、曲を作るようになってからは(中学生時代から作曲を開始)、中央本線の車内が構想の場所だったのです(千代田区にある共立女子短大に中央本線で通学)。
共立女子短大在学中にオーディションを受け、CBS・ソニーレコード(現・ソニー・ミュージックエンタテインメント)でデビュー。
ジャケットの撮影は、吉祥寺のジャズクラブ「SOMETIME」(サムタイム/昭和50年創業、「ジャズの街」吉祥寺の原点)ということで、やはり中央本線沿線です。
名プロデューサー・酒井政利が『異邦人』に改題
『異邦人』という曲名は、当時CBS・ソニーレコードの音楽プロデューサーとして活躍していた酒井政利(さかいまさとし)の命名。
南沙織、フォーリーブス、キャンディーズ、山口百恵などを世に出した名プロデューサーは、昭和53年11月21日発売、山口百恵の『いい日旅立ち』(国鉄のキャンペーン曲)、さらに昭和54年2月25日リリースのジュディ・オング『エーゲ海のテーマ〜魅せられて』のヒットを背景に、『白い朝』(原題)も、『異邦人 -シルクロードのテーマ-』に変更、歌詞もシルクロードの雰囲気に手直しを要求したのです。
そして民族楽器のダルシマー(サントゥール)の使用、羽田健太郎(中島みゆき『時代』、山口百恵『秋桜』、小坂明子『あなた』などのピアノを担当)がピアノを弾くという歌謡曲黄金時代ならではの内容で、レコーディング。
リリース直後の昭和54年10月14日からは『異邦人 -シルクロードのテーマ-』を使った三洋電機のテレビCMの放送が流れ、中央本線の車中で誕生した『異邦人 -シルクロードのテーマ-』は一躍有名になったのです。
久保田早紀は、松任谷由実や矢野顕子に憧れて作詞作曲したということなので、昭和51年11月20日にリリースの『中央フリーウェイ』(東京都府中市を走る中央高速道路が舞台)なども頭の中にはあったことでしょう。
国立駅の駅舎は往時とは変わっていますが、大学通りが続く国立駅南口には旧国立駅舎が保存されていて、『白い朝』時代の雰囲気を今に伝えています。
久保田早紀の『異邦人』の舞台、実は東京都国立市だった!? |
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