赤羽線(赤羽駅〜池袋駅)は、昭和47年まで山手線の本線だった!

赤羽線

赤羽駅(東京都北区)と池袋駅(豊島区)を結ぶのが赤羽線。もともとは、現在の東北本線と東海道線を結ぶ鉄道として計画されたもので、明治18年3月1日に開業という歴史ある路線です。実はこの赤羽線、昭和47年7月15日までは山手線の「本線」の扱いでした。山手線と赤羽線の歴史を探ってみましょう。

令和7年に山手線循環運転100周年、赤羽線はなぜ山手線?

赤羽線
赤羽線のなかで留置線のあるのが板橋駅です

「赤羽線なんて聞いたことがない」、「埼京線なら毎日使っている」という若い人も増えていますが、東北・上越新幹線の建設工事に伴う、通勤新線ということで、赤羽駅〜武蔵浦和駅〜大宮駅に埼京線が開通したのが、昭和60年9月30日のこと。
同時に川越線大宮駅〜 高麗川駅間も電化し、川越駅〜大宮駅〜武蔵浦和駅〜赤羽駅〜池袋駅を最速(埼京線通勤快速)44分で結びました(平成8年3月16日に恵比寿駅へ延長、現在は大崎駅まで延長され、りんかい線に直通乗り入れ)。

この川越駅〜池袋駅の列車の運用上の通称が埼京線で、赤羽駅〜武蔵浦和駅〜大宮駅間は東北本線の支線、赤羽駅〜池袋駅が赤羽線です。
なぜか『JR時刻表』(交通新聞社)にも「池袋 – 赤羽間は赤羽線」という表記があります(赤羽〜大崎間は山手線の一部となる山手貨物線、赤羽〜大宮は東北本線の支線ですが、これを表記すると混乱するので避けているのだと推測できます)。

ただし、JR東日本の公式路線図には赤羽線の表示はなく、埼京線と記されています。

この赤羽線、実は山手線の前身で、上野駅〜熊谷駅に開通した日本鉄道(現在のJR東北本線)と東海道本線を結ぶ品川線(赤羽駅〜池袋駅〜新宿駅〜渋谷駅〜品川駅)として明治18年3月1日に開業しています。
群馬県で産する生糸などを横浜港へ搬出するのにも使われたという路線で、開業当初は、貨物輸送の合間に旅客営業という感じでした。

明治34年11月16日、品川駅〜赤羽駅間と池袋駅〜田端駅間とを統合し山手線に、さらに大正14年11月1日に山手線が環状運転を開始すると、本線ながらその支線的な扱いになったのです。
昭和47年7月15日、ようやく山手線から分離され、赤羽線というのが正式な路線名になったのです。

年配の人なら、黄色、あるいは黄緑色の電車(山手線を走った101系や103系のお古)が走っていた赤羽線を覚えているかもしれません。
それも山手線との深い関係があってのこと(くどいようですが、赤羽線が旧来の本線でした)。
昭和53年までは赤羽線に貨物列車も走っていましたが、今ではそれも昔話です。

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赤羽線(赤羽駅〜池袋駅)は、昭和47年まで山手線の本線だった!
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