千代田区
プレスマンユニオン編集部
北町奉行所跡
東京都千代田区丸の内1丁目、東京駅日本橋口から徒歩3分ほどの丸の内トラストタワーN館前にあるのが、北町奉行所跡。「遠山の金さん」(遠山左衛門尉景元)も、3年間奉行職を務めたという場所で、調査で奉行所の上水道、井戸が発掘されています。
江戸城・呉服橋御門内にあった北町奉行所の跡
『江戸切絵図』 御江戸大名小路絵図(部分)
江戸の町の行政・司法を担当する役職が、北町奉行所と南町奉行所。
南北に管轄を分けて配されたというわけではなく、月番制で担当するという仕組みでした。
南町奉行所は、現在のJR有楽町駅前という近接した場所に位置していました。
北町奉行は、慶長9年(1604年)の米津田政(よねきつただまさ/徳川家康の小姓で、三河譜代の武士で旗本)を初代に、幕末の慶応4年(1868年)の43代・石川利政(いしかわとしまさ/一橋徳川家家臣で旗本)まで43人が就任しています。
北町奉行所は文化3年(1806年)〜幕末まで、呉服橋御門内にあり、それが現在の呉服橋交差点の南西、東京駅日本橋口周辺ということに。
丸の内トラストシティの東側歩道に、復元された石組みの溝と解説板が設置されています。
27代目の北町奉行が「遠山の金さん」
片岡千恵蔵主演の映画『東映時代劇シリーズ』、杉良太郎、高橋英樹、松方弘樹、松平健らが演じたテレビドラマ(テレビ朝日)『遠山の金さん』で有名な、遠山左衛門尉景元(とおやまさえもんのじょうかげもと)。
有名な「遠山の金さん」こと遠山景元(とおやまかげもと)は、江戸時代後期の天保11年3月2日(1840年4月4日)〜天保14年2月24日(1843年3月24日)の間、27代目の北町奉行を務めています。
天保12年(1841年)に始まった天保の改革では風俗取締りの町触を出し、武士に甘く町民には厳しい規制に対しては反対し、寄席の削減案などに関して老中・水野忠邦、目付の鳥居耀蔵と対立しています(南町奉行・矢部定謙も老中・水野忠邦と対立し、失脚)。
芝居小屋の廃止に関しても、抵抗して浅草猿若町への小屋移転に留めています(以降、浅草は芸能の町として発展)。
天保14年2月24日(1843年3月24日)に罷免されるのも対立した目付・鳥居耀蔵の策略で。
後に天保の改革の失敗を経て、遠山景元は33代目の南町奉行として町奉行に返り咲いています。
北、南町奉行を唯一歴任したのが遠山景元で、時の権力者と対立しながらも、抵抗し、町民側に立った姿勢が共感を呼び、歌舞伎や講談の「遠山政談」物として人気を博したのです。
明治26年、明治座の開場記念狂言として初演された『遠山桜天保日記』が、「遠山政談」物の初演で、脚本には「腕に生首が文をくはへたるぼかしの彫物」とあるので、桜吹雪の彫り物ではなく、生首が手紙を咥えたという異色の彫り物だったことがわかります。
北町奉行所跡 |
名称 |
北町奉行所跡/きたまちぶぎょうしょあと |
所在地 |
東京都千代田区丸の内1-8 |
関連HP |
千代田区観光協会公式ホームページ |
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電車・バスで |
JR東京駅から徒歩3分 |
駐車場 |
周辺の有料駐車場を利用 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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