東京の大名庭園で、別に「必踏五大庭園」を紹介していますが、東京には大名庭園をルーツとする公園・庭園がまだまだ各地に残されています。『東京とりっぷ』取材班の調べでも残り18庭園が、確実に大名庭園の名残を示す庭園です。千代田区、港区、品川区、渋谷区の9庭園を江戸切絵図を使って紹介。
現代に大名庭園が残されるのは奇跡かもしれない!
明治維新で東京の7割を占めた武家地、東京の5割を占めた大名屋敷は、公共の土地や、新しく生まれた財閥などの土地へと引き継がれていきます。江戸城大手門前の一等地である、千代田区の大手町、東京駅周辺には松平や酒井などの譜代の大名の大きな屋敷が並んでいましたが、三菱財閥の土地となり、明治時代にはレンガ造りの建物が並び、今ではオフィス街となっています。
近代化、都市化の波だけでなく、関東大震災、そして第二次世界大戦という荒波をくぐりぬけた大名庭園のみが、なんとか現存している感じです。
大名屋敷のなかにあった大名庭園が今に残されるのは、奇跡といったほうがいいのかもしれません。
植えられた木々も地震の火災や戦災で焼け落ち、あるいは生き残って大きく育って、往時の雰囲気とはかなり異なっていると推測できます。
そんな、苦難の歴史を歩んだ大名庭園のなかで、千代田区、港区、品川区、そして渋谷区で少しでも痕跡を残しているのが、以下の9庭園です。
江戸城 二の丸庭園/皇居東御苑
Tokyo Imperial Palace Ninomaru Gardens
東京都千代田区千代田1-1
彦根藩中屋敷/ホテルニューオータニ東京
Hotel New Otani Tokyo/Japanese garden
東京都千代田区紀尾井町4-1
南部藩(盛岡藩)下屋敷/有栖川宮記念公園
Arisugawa-no-miya Memorial Park
東京都港区南麻布5-7-29
高松藩下屋敷/国立科学博物館附属自然教育園
The Institute for Nature Study
東京都港区白金台5-21-5
長府藩上屋敷/毛利庭園(毛利甲斐守邸跡)
Mouri Garden/Roppongi Hills
東京都港区六本木6-10-1
長州藩下屋敷/檜町公園
Hinokicho Park/Tokyo Midtown
東京都港区赤坂9-7-9
熊本藩下屋敷/戸越公園
Togoshi Park
東京都品川区豊町2−1−30
岡山藩下屋敷/池田山公園
Ikedayama Park
東京都品川区東五反田5-4-35
紀州藩下屋敷/鍋島松濤公園
Nabeshima Shoto Park
東京都渋谷区松濤2-10-7