天気予報で出てくる「東京」天気、そして気温と、実感としての気温などにズレがあることはないでしょうか? そもそも天気予報の「東京」とはどこのことでしょう? 都庁のある場所と考える人もいますが、正解は、東京都千代田区の緑に囲まれた涼し気な北の丸公園です。
北の丸公園にあるため、気温は最高、最低ともに低くなる!

平成26年12月、千代田区大手町の気象庁(本庁)の敷地にあった東京管区気象台の観測露場(かんそくろじょう=東京アメダス)が、北の丸公園内に移され、以降は東京の気温と公式に発表されるのは、この北の丸公園で観測された気温です。
大手町から北の丸公園に移されたのは、ヒートアイランド現象など、周囲の環境に影響を受けるようになったため。
アスファルトやコンクリートの反射熱、クーラーからの排気熱など都会的な熱の要員を取り除いた、純粋な気温を計測するために、あえて北の丸公園に設置されているわけですが、逆にいえば、都心のもっとも快適な環境で測定した気温ということになります。
その結果、コンクリートに囲まれたオフィス街や、住宅密集地で働き、暮らす人の体感気温とは大きく異なる結果となってしまうのです。
東京の気象観測地は、明治8年〜明治15年は、⾚坂区溜池葵町(現在のホテルオークラ東京付近)、明治15年〜大正11年は、江戸城の本丸(皇居北桔橋門)に、大正12年〜昭和39年は麹町区元衛町(現・KKRホテル東京)、そして昭和39年〜平成26年には千代田区大手町の気象庁にあるなど、転々と移転を繰り返してきました。
気象庁本庁舎が虎ノ門へ移転することになり、露場の移転先として北の丸公園が候補に上がり、実験的に両方の測定値を比較し、問題ないと判断された結果、北の丸公園の露場の運用がスタートしたのです(平均気温は気象庁よりも0.9度低い結果が判明しています)。
夏日、真夏日の日数はほぼ同じでしたが、猛暑日は北の丸公園の方が少なかったため、実際には東京の猛暑日はもっと多いという推測もできます。
現在、東京の数値として発表される気温、相対湿度、気圧、降⽔量、積雪の深さはすべてこの北の丸公園の観測値です。
最低気温は、気象庁のあった旧観測地点よりも1.4度も低く出るので、東京都心の最低気温は、予報よりも少し高いと考えることもできます。
熱帯夜は、北の丸公園の⽅が⼤幅に少なく、冬⽇は、北の丸公園の⽅が⼤幅に多い(積雪も北の丸公園が多い傾向に)という結果が判明しているので、東京の予想最高気温、最低気温という情報から少しプラス・マイナスして考えるのがいいのかもしれません。
ちなみに東京都内でも冬場の最低気温は海沿いの羽田空港などでは高く、練馬区では低い傾向にあり、その差は実に3度〜4度もあります。
つまりは、住んでいる場所、通勤通学先の場所の環境を考えて、頭の中での補正が必要ということに。

| 天気予報の「東京」は、どこのこと!? 気温や雨量はどこで計測? | |
| 名称 | 東京管区気象台北の丸公園露場(東京アメダス)/とうきょうかんくきしょうだいきたのまるこうえんろじょう(とうきょうあめだす) |
| 所在地 | 東京都千代田区北の丸公園1-1 |
| 掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 | |











