日本の地下鉄で、唯一、馬車軌間を採用した路線が東京に!

都営新宿線

馬車軌間(4フィート6インチ=1372mm)というと聞き慣れない言葉ですが、日本では明治15年6月25日開業の東京馬車鉄道がこの軌間を採用したため、馬車軌間と呼ばれています。地下鉄では、都営新宿線がこの馬車軌間。地下鉄として唯一の馬車軌間なのにはワケがあります。そのワケとは!?

京王線はかつて「路面電車」だったから馬車軌間に

京王線
路面電車(軌道)時代=馬車軌間の京王線

東京馬車鉄道は、東京電車鉄道と改称しましたが、当時東京市内を走った東京市街鉄道、東京電気鉄道もこの馬車軌間を採用(明治39年、3社は運賃を共通化、さらに合併して東京鉄道に)。
この東京鉄道は、明治44年、東京市(現・東京都)に買収されて東京市電となったため、現在の都電も馬車軌間ということに。

私鉄では大正2年4月15日に笹塚駅〜調布駅間12.2kmを開業した京王電気軌道も、この馬車軌間を採用しています。
京王電気軌道という名の通り、軌道(路面電車)のため、先行の東京市電に合わせたのだと推測され、同様に東急世田谷線(大正14年1月18日、玉川電気鉄道の下高井戸線として三軒茶屋駅〜世田谷駅間が開業)も軌道だったため、馬車軌間となっています。

あまり知られていませんが、京王線も昭和38年に新宿駅の地下化が実現するまでは、甲州街道上を走る部分もある「路面電車」だったのです。

昭和55年3月16日、新宿 – 岩本町間(7.3km)が開業した都営新宿線は、計画段階から京王新線(新線新宿駅〜笹塚駅)に入り、京王線への直通乗り入れを考えていたため、軌間も京王線に合わせて馬車軌間(1372mm)を採用。
こうして日本で唯一、地下鉄での馬車軌間採用の路線となったのです。

人力で客車を押した豆相人車鉄道は、軌間610mm、当時は官営鉄道でさえ1067mm軌間だった時代なので、東京馬車鉄道の4フィート6インチ軌間(1372mm)は画期的な広さだったと推測できます。
19世紀初期のイギリス・スコットランドで敷設されたことが多かったため、スコッチゲージ(Scotch gauge))とも称されていますが、その後、イギリスは現在の新幹線に採用される標準軌(1435mm)に統一される方向になり、改軌が進んだため、「東京ゲージ」と呼ぶこともできる国際的にも希少な軌間となっているのです。

京王線に乗り入れる都営新宿線の車両
日本の地下鉄で、唯一、馬車軌間を採用した路線が東京に!
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都営新宿線

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