東京都庭園美術館

東京都庭園美術館

東京都港区白金台5丁目にある東京都立の美術館が、東京都庭園美術館。「アール・デコの館」と称された旧朝香宮邸(きゅうあさかのみやてい)を再生した美術館で、建物自体も芸術的な価値を有しています。美しい西洋庭園、日本庭園、芝庭もあり、庭園だけの見学(入場料が必要)、レストラン利用も可能です。

西洋と日本の匠の技が融合した「アール・デコの館」

東京都庭園美術館

大正11年10月〜大正14年12月、アール・デコ全盛期のパリに滞在し(交通事故に遭遇し、滞在期間が延長、アール・デコ博といわれた『パリ万国博覧会』も見学)、これに魅了された朝香宮鳩彦王(あさかのみや やすひこおう)は、自邸の建設にあたり、インテリアデザイナーのアンリ・ラパン、ルネ・ラリックというアール・デコの大家に自ら依頼。
内装基本設計はアンリ・ラパン(設計図は船便で郵送)、装飾品はルネ・ラリックという豪華版です。

昭和8年、芸術品ともいえる建物が完成。
ラパンが基本設計を担当したのは1階の大広間、次室、小客室、大客室、大食堂、2階の殿下書斎、殿下居間の計7室ですが、建物そのものが芸術品といわれるように、柱、天井、シャンデリア、ドアと、どこをとってもアール・デコ様式ならでは機能的な様式美に包まれています。

実際に朝香宮邸全体の設計を担当したのは、宮内省内匠寮の技師たちで、和風アール・デコ様式の卓越した仕事ぶりと、本場フランスから調達したアール・デコ家具との調和も見事です。
アンリ・ラパンは一度も来日することもなく、すべてが船便での手紙によるやり取りだったので、トラブルも絶えなかったようです。
それに対処したのが、宮内省内匠寮の技師たちで、西洋と日本の匠の技が融合した「アール・デコの館」ということに。

本館、茶室、倉庫、正門・門衛所などは国の重要文化財に指定。

ルネ・ラリックの装飾品は、玄関の4女神像ガラスレリーフ扉4枚(特注品)、大客室のシャンデリア『ブカレスト』、大食堂の天井照明器具のガラス板(パイナップルとザクロのデザイン)です。

建物自体が芸術ですが、所蔵品による常設展示はなく、雰囲気に合わせたテーマでの企画展示が年に数回行なわれています。

庭園のみ公開の期間は、本館(旧朝香宮邸)と新館には入館できません。
東京都庭園美術館ホームページのカレンダーで事前に確認してから訪問を。

「庭園レストラン コモド」はコース料理のほか、アラカルトも豊富ですが、平日に限り、手頃なパスタランチも用意されています。

東京都庭園美術館
ミュージアムショップ「リュミエール」は展覧会開催時のみ利用可能
東京都庭園美術館
名称 東京都庭園美術館/とうきょうとていえんびじゅつかん
所在地 東京都港区白金台5-21-9
関連HP 東京都庭園美術館公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ・都営地下鉄白金台駅から徒歩4分、JR目黒駅から徒歩7分
ドライブで 首都高速目黒ランプからすぐ
駐車場 あり/有料
問い合わせ 東京都庭園美術館 TEL:03-3443-0201/FAX:03-3443-3228
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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