JR有楽町駅からJR山手線・京浜東北線などの走る高架沿いに新橋駅方面に数分歩いた千代田区有楽町1丁目にある老舗の喫茶店が、「珈琲館 紅鹿舎」(こーひーかんべにしか)。メニューに「元祖ピザトースト」と載っている通り、ピザトーストはこの店が発祥。わざわざ味わいに来るイタリア人もいるとのこと。
東京の喫茶店の奥深さを実感!

ピザ(pizza)は、イタリア発祥で、アメリカに渡ってアメリカナイズもされていますが、本場イタリアでも、デリバリーまでに普及したアメリカでも「ピザはピザ、トーストはトースト」で、ピザとトーストを合体させるという発想、文化はないとのこと。
ピザトーストが生まれたのは、それなりの歴史と理由があります。
もともとは昭和32年に洋食屋として誕生、東海道新幹線が開業し、『東京オリンピック』が開催された昭和39年に、2号店となる喫茶店を開店、これが現在の「珈琲館 紅鹿舎」です。
当時、ピザといえば高級なイタリア料理店で出される程度で、庶民にとってはまず味わうことのない料理でした。
それをなんとかできないかと、知恵を絞り、初代店主の妻・村上節子さん(当主・村上淳さんの母)が出したアイデアが「手間のかかるピザ生地の代わりに、トーストを利用する」というもの。
当初は「ピザとは違うじゃないか!」と怒る客もいたそうですが、大人気に。
日本各地にあるピザトーストは、この店の人気を受けて、モノマネ的に普及。
「珈琲館 紅鹿舎」のボリュームたっぷりのピザトーストは、素材から作り方まで発祥当時とほとんど変わらないとのこと。
たまに訪れるイタリア人が味わっても、その美味しさに驚くとのこと。
アメリカ人は、ピザよりもヘルシーと好評とか。
レトロで落ち着いた雰囲気がある店で味わう「元祖ピザトースト」は格別です。
初代オーナー(当主は3代目)が甘党だったことで、スイーツも充実していますが、まずは「元祖ピザトースト」とドリンクのセットを。
ちなみに、今や家庭でも定番のツナトーストも、この「珈琲館 紅鹿舎」が発祥とか。
「悪魔の炎」などという飲み物もあって、東京の喫茶店の奥深さを実感できるレトロ喫茶です。
ピザトースト発祥の店は、東京・日比谷の「珈琲館 紅鹿舎」 | |
名称 | 珈琲館 紅鹿舎/こーひーかんべにしか |
所在地 | 東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル1階 |
電車・バスで | JR有楽町駅・東京メトロ・都営地下鉄日比谷駅から徒歩2分、東京メトロ銀座駅から徒歩2分 |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 珈琲館 紅鹿舎 TEL:03-3502-0848 |
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