東京都中央区銀座4丁目にある「銀座三越」。延宝元年(1673年)創業の呉服店「越後屋」が前身で、明治37年に日本初の「デパートメントストア宣言」を出した老舗ですが、その屋上に鎮座するのが銀座出世地蔵尊。なんと銀座がレンガ街となった明治時代に祀られたもので、ちゃんと社務所まで用意されています。
知る人ぞ知る銀座のパワースポットが三越の屋上に

銀座出世地蔵尊が設置された正確な年号は不明ですが、「銀座大火」後の明治6年以降、明治9年以前のこと。
銀座通りには明治7年にガス灯が設置され、明治10年に銀座は耐火性のある近代的なレンガ街として完成、明治15年には新橋~日本橋に東京馬車鉄道(明治36年、東京電車鉄道に改称)が開業しています。
『郵便報知』の明治9年7月22日付けの記事には、すでに「銀座3丁目の横丁に此程流行する地蔵尊ハ去る文久元年7月18日三十間堀1丁目6番地先き古土蔵取繕の節同所鳶頭田中善太郎が地中より掘出し・・・」と記されているので、それ以前のこと。
もともとは銀座4丁目の空き地に安置されていましたが、焼け野原となった終戦後の昭和43年10月、「銀座三越」の大改装にあわせて屋上に遷座したのです。
道端に置かれていた地蔵が「路上から大きな百貨店の屋上に上り詰めた」ということで、出世地蔵となった次第。
この石造の地蔵尊、三十間堀界隈に住む石工(いしく)の弟子が自分の親の供養のため、地蔵尊を彫りたかったのですが親方の許可が出ず、親方の留守に彫りますが、親方の帰宅とともに三十間堀界隈に埋めて隠します。
後にこの地蔵尊が見つかって(見つかる理由は三十間堀の改修時とも、親方の夢枕に出現ともいわれています)、銀座に安置されたものなので、親の供養というのが願意(彫られた目的)だったのです。
本館9階の銀座テラスにある社務所では、「銀座出世地蔵尊」をモチーフとした根付を取り扱い。
さらに地下2階和菓子コーナーの「仙太郎」では、「銀座出世地蔵尊」をモチーフとした「出世地蔵六方焼」を販売しています。
「銀座出世地蔵尊」横の「テラスガーデン」では、地上31mに広がる緑を眺めながらサンドイッチなどを味わうこともでき、「銀座出世地蔵尊」とともに都会の異空間、くつろぎと癒しの空間になっています。


「銀座三越」の屋上で、開運・出世祈願! 授与品や土産物も用意されている | |
名称 | 銀座出世地蔵尊(銀座三越)/ぎんざしゅっせじぞうそん(ぎんざみつこし) |
所在地 | 東京都中央区銀座4-6-16 |
関連HP | 銀座三越公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ銀座駅からすぐ。JR有楽町駅から徒歩9分 |
駐車場 | 399台/有料(買い物に応じたサービスあり) |
問い合わせ | 銀座三越 TEL:03-3562-1111 |
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